溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリスちゃん、短い人生だった。君と会えて、俺は嬉しかったよ……」
「……はぁ」
でも、この人。全くといっていいほど、気付く気配がない。
その心臓の痛みは、もしや二人の恋の始まりじゃないかって……。そう思うのに。
太陽は、恋の「こ」の字も、分かってないみたいだった。
ばかりか必死に自分の心配をして、さっき私が渡したクマの人形を抱きしめている。
「不知の病だったら、どうしよう……」
「……もう。仕方ないわね」
「恋じゃない?」って知らせたい。あなた、私の事が気になってるんだよって。
だけど――
はやる気持ちを、静かに胸の中に閉まう。
そして、太陽の背中を撫でた。
「まぁ……ゆっくりで、いっか」
「一気に」、じゃなくて。
太陽の、私たちのスピードで「胸の苦しさの正体」を、次に繋げて行けたらいいかって。
そう思い直す。