溺愛幼なじみは甘くて強引
「え、ゆっくりって?」

「なんでもないよ、太陽」


いつだって、私たちは遅れて気が付く。

自分の想いを自覚するのは、感情が芽生えた後なんだ。


だから――


例え口先で相手を嫌がっても、どうしようもない。

だって本能は、その人の事が気になっているのだから。もう、胸が鼓動を速めているのだから。

だから、覚悟を決めるしかない。


私達は、これから先。

きっと互いに好きになっていくんだって――


「えっと、まず……まずは、そう連絡先!交換しよ、アリスちゃん!」

「壊れたんじゃなかったっけ?」

「代替機があるから大丈夫!!」

「……っぷ、必死すぎ」


太陽の必死な姿を見て、無意識の内に胸が高鳴る。

それゆえか――

私にしては珍しく、甘えてみちゃったりして……。
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