溺愛幼なじみは甘くて強引
終.お待たせ、理央
翌朝、私と理央の目に、信じられない光景が写った。
「太陽、その卵焼ちょうだいー」
「全部はダメ。半分こならいいよ」
「じゃあ半分こー」
私の目の前に、アリスちゃんと太陽くん。しかも、妙に仲が良さげ。
私と理央、そして真琴ちゃんは、そんな二人を、目を丸くして見ていた。
「ねぇ南月……昨日帰る時、あの二人ってケンカしてたよね?痴話喧嘩だったわけ?」
「え、や……ちょっと、私にもよく分からなくて……。理央は?何か知ってる?」
「何も……」
私たちの知らない間に、あの二人に一体なにがあったんだろう。
それを聞くのもはばかられるほど、二人の空気はあったかいもので出来上がっていて……。
なんだか、カップルみたいだった。
「そういえば」
半分こにした卵焼きを口に含んだ時、太陽くんが理央を見る。
「母さんから聞いたよー、俺と友達だって言ってくれたんだって?理央くん♡」