溺愛幼なじみは甘くて強引
「……撤回しようかな」

「なーんでだよー!電話の内容を聞いたんだからね!あんな事やそんな事を、」

「ちょっとコッチに来て……!!」


顔を赤くした理央が、太陽くんを掴んで教室から出て行った。すごい速さ……。

残された私たちは、すかさずアリスちゃんに事情を聞く。


「アリスちゃん、太陽くんと付き合う事にしたの?」

「ううん、違うわよ?」

「じゃあ何であんなに仲良しなわけ?」


真琴ちゃんの言葉に、アリスちゃんは「初期段階だから」と答えた。

しょ、初期段階……?


「私も太陽も、お互いを意識し始めたばかりなの。好きじゃないけど、嫌いでもない。だから今、二人の距離を測っている最中ってわけ」

「なるほど、わからん」

「ま、真琴ちゃん……」
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