溺愛幼なじみは甘くて強引
「私、理央にフラれたわよ」

「え……」


なんて言ったらいいか分からなくて、閉口する。だけどアリスちゃんは、教室中に響くくらいの、それくらい大きな舌打ちをした。


「そんな顔しないで。太陽にしたみたいに、ビンタするわよ」

「太陽くんにビンタしたの!?」

「うん。強烈なのをね」


しれっと言ってのけるアリスちゃん。その顔は、スッキリしたようにも見える。

だけど……

その瞳の奥に、理央の存在がまだ残っているのが分かる。今日のアリスちゃんは時々、切なそうに見えるから。


「私ね、アリスちゃんに”負けない”って思ってから……何度も何度も、心が折れそうになった。私、このまま理央を好きでいていいのかなって。

でも、そんな私の背中を押してくれたのは――

いつもアリスちゃんだった」

「私?」
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