溺愛幼なじみは甘くて強引
「――ッ」


大きな瞳が、キラリと光る。潤んだ瞳を隠すように、アリスちゃんは顔を下げた。

そして彼女には似合わない声で、小さく呟く。


「もし、もしもよ……。
私が、日本語を話せなかったら……。

それでも、あなたは仲良くしてくれた?」

「え」

「……っ」


ギュッと作った握りこぶしが、アリスちゃんの心みたいに、小刻みに震えている。

それを見た後――気づいたら、私はアリスちゃんの拳を、両手で握り締めていた。


「そんなの、当たり前だよ!」

「っ!」

「英語 、たっくさん勉強するから!だから大船に乗ったつもりで任せて!ね!

アリスちゃんのためなら、私すぐにでもバイリンガルになるから!」
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