溺愛幼なじみは甘くて強引
「南月……ふ、バカね」


呆気にとられたアリスちゃんは、頬杖をついて私を見た。その顔には、笑みが浮かんでいる。


「私が日本語を覚える方が、早い気がするわ」

「ゔっ、そうかもしれない……。

あ、ねぇ、アリスちゃん。

今日の放課後、真琴ちゃんと三人で、また喫茶店に行こう?そして、たくさんお話しよう。

私、アリスちゃんの事をもっと知りたいな!」

「! 理央と同じことを言うのね。

もう、何なのよ……あなた達」


弾けるような笑顔で「ハハ」とアリスちゃんが声を出して笑った。ちょうど教室に日が差し、アリスちゃんの金色の髪がキラキラ光る。


「理央も太陽も、南月も。

本当、変な人ばかり。

自分のことを卑下するくせに、
自信がないって言うくせに……

変なところで積極的なんだから。

もう、わけわかんない。
ちょっとしたカルチャーショックよ」


「って、アリスも日本人でしょうが」


言いながら、真琴ちゃんが戻って来た。手にはジュースが三本。


「はい、アリス。好きなの選びな」
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