溺愛幼なじみは甘くて強引
「えー?何のことー?それより、南月はいいの?」

「え?」


理央が目を移すと、私は制服のボタンをプチプチ外しているところだった。


「って南月!なんで脱いでるの!」

「だって、あつ、熱くて……っ」

「教室じゃ、ダメ!」


すると、ちょうどいいタイミングで太陽くんが話に入って来る。


「あ、俺ちょうど体育倉庫の鍵を持ってるんだよね」

「なんで持ってるのよ!?」

「いや~ちょっと昼寝しようと思って、職員室から拝借してたんだよ~」


すると目の色を変えた理央が、それを奪って教室を後にした。


「俺と南月は早退って言っておいて!」

すると、オロオロするアリスちゃん以外――

つまり、真琴ちゃんと太陽くんは「はーい」と、のんびりと手を上げ返事をした。


パタン


私たちが姿を消した後。

真琴ちゃんと太陽くんが、図ったように顔を見合わせる。
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