溺愛幼なじみは甘くて強引
「え……」


理央は、私が頬に伸ばした手を拒絶した。

その理由は――


「いま南月に触られると、俺……絶対、止まらない。

南月がイヤって言っても、離せない……っ」

「理央……」


理央の苦しんでる姿を見て、手を引っ込めた。

どうしたらいいか分からなくて……、固まってしまう。


すると、そんな私を見て焦った理央が、自身の目を伏せた。

湯気がプシューと抜けていくように、理央の体から熱気が冷めていくのが分かった。


「ごめん、南月。やっぱり俺……すごく、カッコ悪いね」

「理央……。そんなこと、ないよ?」

「ううん、カッコ悪い。南月を前に、俺はいつも“自分の情けなさ”を自覚する。

そんなカッコ悪い俺に蓋をして、今まで見て見ぬふりをしてきたけど……。

でも、昨日。やっと覚悟が決まったんだ」

「覚悟?」
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