溺愛幼なじみは甘くて強引
「怒って、ないの……?」

「南月に?怒るわけないじゃん。むしろ、自分を叱りたいよ」

「なんで?」

「タガが外れたから、かな」


はは、と力なく笑う理央。


そんな理央を、今日になって初めて見る気がして……。

こんな時だってのに、なぜだか愛おしくなった。


「今日、理央の色んな顔を見られて嬉しい」

「嬉しい?」

「だって理央って、いつもカッコいいから」


照れながら言うと、理央は「あぁ」とクスッと笑った。


「ポーカーフェイスで、上手く誤魔化してるでしょ?」

「え?誤魔化してるの?」


聞くと、理央は「そりゃそうだよ」と力なく笑った。


「本当の俺なんてダサいし、かっこつかないし。好きな子を前に、自分を押さえる事も出来ないんだよ?俺はカッコ悪いよ」

「そ、そうなのかな……?」

「じゃあ聞くけど」


理央は、抱き合っていた私と体を離す。
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