溺愛幼なじみは甘くて強引
「今まで、何も知らなかった……」

「黙っててごめん、騙しててごめん。南月の気持ちを、無遠慮に手探りした。

南月なら俺をずっと好きっていってくれるって――そう信じられなかった弱い俺で、本当にごめんね」

「理央……っ」


理央の代わりに、私の目から涙が落ちる。

カッコよくて、皆から慕われてて、何人もの女子が告白する――そんな理央の内側に、こんな秘めた思いがあったなんて。

ずっと、今まで悩んでいたなんて。知らなかった、気づけなかった。


「理央ぉ、なんで黙ってるの。私達、ずっと一緒にいた幼なじみでしょ……っ」

「うん、ごめんね。幼なじみって言葉は、俺にとって強みでもあり、弱みでもあったから」


幼なじみだから、今まで一緒にいられた。

でも、付き合ったら?

幼なじみの方が良かったと、そう思われたら――
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