溺愛幼なじみは甘くて強引
「何が”待つよ”だよ。もう一秒だって、我慢できないくせに……」


言いながら、私を押し倒した時の事を思い出し、理央は下唇をグッと噛む。


「いつか、南月と……って、違う違う!そうじゃなくて……もうっ」


自分に怒り、バチンと頬を両手で挟む。

すると少し目が覚めたのか、再びため息をついた。


「こんな俺を見たら、南月ガッカリするよね。っていうか、引かれるんじゃ……」


私のことを好きすぎるあまり、自制心が効かない――

というのは、ウソも方便などではなく。どうやら本当の事らしかった。


本当は私を抱きしめた時も、キスした時も……

これでもかと、自分の理性と戦っていた理央。


もちろん、その時の自分はポーカーフェイスで上手く隠していた、というわけだ。
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