溺愛幼なじみは甘くて強引
「り、理央はそんな薄情な人じゃないもん」

「いーや、分からないよ」


ガタリと席を立つ真琴ちゃん。


どこに行くのかと思ったら、お財布を取り出した。

どうやらジュースを買いにいくらしい。


「いつも突然だね。ついていくよ?」

「突然飲みたくなるのよ。すぐそこだから一人で大丈夫。いってきまーす」

「いってらっしゃーい」


手をヒラヒラとさせながら、真琴ちゃんの後ろ姿を見てため息をつく。

さっき真琴ちゃんに言われた言葉が、案外ズッシリ来ているみたい……。


――理央くんは”待つ”とは言ったけど、あまり待たせてたら、愛想つかされるよ?


「そんなこと言ったって……。でも、どうやったら経験値ってたまるだろう」
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