溺愛幼なじみは甘くて強引
「早く理央と付き合いたくて。どうしたら、その……恋人のあれやこれやをする覚悟が出来るのかなって。で、経験値を貯めようと、」

「佐竹に協力してもらってたの?」


正直に頷くと、理央は長い長いため息をついた。

そして「バカ」と言って、私の鼻を思い切り摘まむ。


「ふごッ!」

「なんで他の人で慣れようとするの。そんな時こそ俺でしょ?俺に慣れないで、どうやって俺と付き合うの?」


最後は、少し笑いながら言ってくれた。

バカな事をした私の事も見放さないでくれる理央の優しさに……泣きそうになった。


「理央、ごめ……私……っ」

「うん、いいよ。方法は間違ってるけど、俺の事を思っての事だもんね」

「うん……」


理央の胸に、顔を当てる。

申し訳ない気持ちで、胸が張り裂けそうになった。


理央、ごめん――


心の中で謝っていると、理央が「ねぇ」と。

いつもの優しい声で、私の名前を呼んだ。


「でも、少しはお仕置きはしたいんだけど?」

「お仕置き……?」
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