溺愛幼なじみは甘くて強引
理央は口を開けて何かを言いたそうだったけど、顔を真っ赤にして震える私を見て。


結局、何も言わず口を閉じた。その顔には、笑みが浮かんでいる。


「南月。目、閉じて」

「……うんっ」


ドキドキと、ソワソワ。

心臓が大きく鳴りすぎて、私の体が鼓動の度に揺れている気がする。

だからかな?足がフラフラって、ふらついちゃう。


すると、そんな不安定な私に気づいたのか。私を固定するように、理央がギュッと抱きしめてくれる。


片手は私の背中に、そしてもう一方の片手は、私の頬に添えられた。


「南月、好きだよ」

「わ、私も……っ」

「かわいすぎだよ、南月」

「んッ」


再び合わさる理央との唇。

あたたかくて、やわらかくて――心がほどけていく感じがして、気持ち良かった。

ガチガチに固まっていた体から、少しずつ力が抜けていくのが分かる。


名残惜しそうに口を離した後は、あたたかい吐息が、二人の間にたまっていった。
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