溺愛幼なじみは甘くて強引
「ん?」


と言いながら、理央は首を傾げる。

すると茶色の髪がふわりと揺れ、理央の優しいオーラが増して見えた。


そんなカッコイイ理央を直視出来なくて……「なんでもないの」と前を向いた。

すると、理央は私の肩を過ぎた髪をサラサラと撫で始める。


「えと……理央?何してるの?」

「ん?南月の髪が伸びたなぁって思って。

今日、髪を切りにおいでよ。母さんが気にしてたよ。そろそろ伸びて来たんじゃないかって」

「おばさんが……分かった。行く!」


理央の家は美容院。

いつも可愛く仕上げてもらえるから、私は生まれた時から、ずっと理央のお母さんに切ってもらっていた。


「じゃあ今日、一緒に帰ろう。帰る時間に、ちょうど予約が空いてたはずだから」

「うん、わかった」

「母さんに連絡入れとくね」
< 5 / 252 >

この作品をシェア

pagetop