溺愛幼なじみは甘くて強引
「理央の事を好きなのに……。私のバカぁ」


静かに呟く。お風呂の湯に紛れて涙がそっと落ち、それらと同化した。

だけど、次の瞬間。

コンコン


「ねぇ、南月」

「ひゃぁ!?」


扉の向こうに、理央。

まさかの事態に、咄嗟に胸の前で手をクロスさせる。入浴剤の色が白じゃなかたら、絶対にパニックになってた。

っていうか……。まさか理央、入って来たりしないよね!?


「理央どうしたの?あ、お風呂の使い方?ちゃんとわかるよ、大丈夫」

「いや。心配したのは、そこじゃないよ」

「?」


咄嗟に向けた私の背中に、理央の小さな声が跳ね返る。

どうしたの?と尋ねる前に。理央は核心ついた質問を、私に投げかけた。


「もしかして、さっき泣いた?」
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