溺愛幼なじみは甘くて強引
「あ……」


しまった、泣き声を聞かれたんだ!バレないようにって、静かに泣いたつもりだったのに。


「えっと、」

「……」


なかなか答えを言わない私。そんな空気を壊すためか、それとも本心か――理央は、とんでもない事を提案した。


「ねぇ、入ってもいい?」

「んえぇ!?」

「ふふ、冗談だよ」

「じょ……も、もう!」


やられた!理央のおちゃめが、こんなとこで発動されるなんて!

今の理央の顔が、簡単に想像できる。あの綺麗な顔に、細められた目と、意地悪く上がった口角。

それらが完璧な配置に並んでいるもんだから、余計にタチが悪い。


「あ、あのね……」
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