溺愛幼なじみは甘くて強引
「ちょ、アリス!」

「や〜ん♡怒らないで?」


体をクネクネさせる美女から、理央は急いで唇を離した。そして、


「違うんだよ南月!アリスは、」


説明しようとする理央を、またもや美女が独占する。まるで理央の口に蓋をするように、自身の手をかざして。


「久しぶりの再会なの。今日こそは、私に理央を譲ってくれる?」

「え……」


私を見て笑わない美女。鋭い目に見つめられ、動けなくなる。

それに「今日こそは」って……。初対面の人なのに、どういうこと?


「えっと……」

「アリス、強引なことはやめて。南月も困ってる」

「え~理央。いつもそれじゃん。まだ幼馴染のお世話してるの~?」

「!」


ズキン、と心をえぐられた。「お世話」って言葉が、ぴったり来て……。悲しくて悔しかった。
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