溺愛幼なじみは甘くて強引
――理央、一方通行じゃないよ!私も好きだよ!
――私の理央に触らないで!
こういう言葉を言うべきだって。分かってる。
だって私は、いずれは理央の彼女になるんだよ?今だって、彼氏彼女じゃないだけで両想いなんだよ?
それなのに……反論できない自分。それは、自分に自信がないからだって、美女を前にして嫌と言うほど実感してしまう。
「ねぇ理央。あなたの幼馴染って、いつもこんな無口なの?」
「アリスにグイグイ来られちゃ、誰だって固まるよ」
「ほーら、またそうやって甘やかす!」
「っ!」
ズキン
甘やかすって言葉が、ぴったり過ぎるほどピッタリで。自分が恥ずかしいのと、理央に申し訳ないのとで。私の顔は、重力に負けて下がっていくばかりだった。