溺愛幼なじみは甘くて強引
「はい……、お願いします」
おばさんに、気を遣わせてしまった。
申し訳ないと思いつつ、話を深堀りされなくて安心した私がいる。
シャンプー台に移動して、背もたれを倒してもらう。その時、温かいタオルが、目の上にホワッと乗った。
「あったかい……」
「ふふ。熱すぎたら言ってね?」
「はいっ」
シャアアァァァ
髪を触ってもらうのって、どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。
目の上のぬくもりが重なって、ウトウトしてきちゃった……。
だけど。
おばさんの手、今日は大きく感じる。なんで?それとも、私の頭が小さくなった?
「って、なわけないか〜」
「何がなんだって?」
「へ?」
ん!!!?
さっきの声を再生すると、おばさんじゃないのは容易に分かる。
それに、間違えるはずない。
だってこの声は、この声は……!!