溺愛幼なじみは甘くて強引
「南月の悲しい顔は見たくない。

俺とアリスが一緒にいることで南月が悲しむなら、俺は……」

「理央……」


優しい理央の顔に、苦しい表情が浮かんでいる。


すると、理央は腕を組み直し、外していた視線を再び私と合わせた。

両目に私が写っているのが見える。真っすぐな視線に、私の胸がドクンと跳ねる。


「俺にとって、南月が大事で全てだから。

いつも俺の頭の中には、南月がいるんだよ」

「理央……」


いつも、そうだ。

私が不安に押しつぶされそうになった時。そっと隣に並び、理央が励ましてくれる。

私が理央に告白した日から――

もう何度、こうして力を貰っただろう。


「ありがとう、理央」

「うん」

「私ね……」


理央、あれから私、考えたの。

教室を出る前に、真琴ちゃんから言われた言葉。
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