溺愛幼なじみは甘くて強引
――アリスに負けんなって言ってんの。それとも、理央くんを諦めるの?


私には、出来ない事が多い。それでも、理央の隣にいることだけは諦めたくない。

どんなに不安に押しつぶされそうになっても、理央を好きでい続ける私を「諦めない」でいたい。



「私、理央を取られたくない」

「南月……?」

「だって、私は理央が好きだから。誰よりも大好きって、自信があるから」

「!」


理央。朝アリスって子に訂正できなくてゴメン。「私の理央だよ」って、胸を張って言えなくてゴメン。

あの時は、自信がなかったの。自分がそんなことを言える立場にないって思ってた。


だけど、違う。


立場とか、そんな物は関係ないんだ。大切なのは――理央を好きな気持ち。

理央の隣にいる理由は、それだけでいいって。やっと気づけたの。


「南月?ど、どうしたの?」

「ねぇ理央、目を瞑って」
< 84 / 252 >

この作品をシェア

pagetop