溺愛幼なじみは甘くて強引
「今日、理央に言われちゃったんだ。大事な人がいるから、これまで通りには一緒にいられないよって」

「そう、なんだ」


あれ?理央、大事な人=私って言わなかったのかな?昼休みの時、確かに「話す」って言ってたんだけどな。

首を傾げていると、アリスさんが「あなた名前は?」と聞いてくれた。抑揚のない話し方に、まるで面接を受けている気分になる。


「森野南月、です。あなたはアリスさん、だよね?」

「アリスでいいよ。本名は、有栖川ひとえって言うんだけど」

「ありすがわ、ひとえ……?」


ん?アリスちゃんって、外国の子じゃないの?

すると私の不思議が手に取るように分かったのか、アリスちゃんが仏頂面で机をコンコンと叩いた。


「今、なんでアリスって呼ばせるの?って思ったでしょ?」
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