溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリスちゃん、すっごく綺麗な動きだね。慣れてるって言うか」

「ずっとイギリスにいたからね。あそこは紅茶の国だから。一日に何回も紅茶の時間があるから、自然と身に付いちゃった」
「へぇ、そうなんだ。素敵だね」


理央の話だと、小学二年生の時。アリスちゃんは理央に懐いていたらしい。でも、日本にいたのは一年のみ。

日本を離れる時、アリスちゃん……。寂しかったんじゃないかな。


「アリスちゃんは、すごいね」

「……なに、いきなり」


仏頂面は変わらずだけど、目を合わせてくれるアリスちゃん。私を見てくれた事が嬉しくて、思わず笑ってしまう。


「ちょっと、なに笑ってんの」

「ふふ、ごめん」

「で、スゴイって何?私のどこがスゴイと思うの?」

「小さな頃から日本を離れて、海外で生活しているところとか……あとは。大好きな人と離れる勇気を持っているところとか」
< 95 / 252 >

この作品をシェア

pagetop