溺愛幼なじみは甘くて強引
「私は凄くなんかない。渡英だって、親が行くから仕方なくついて行っただけ。私は片時も、理央のそばを離れたくなかったもん!」

「そうだよね……」


アリスちゃんの気持ちが、痛い程わかる。「理央から離れないといけない」状況になった時、私だったら、きっと耐えられない。だから、余計に感じるの。

アリスちゃんはスゴイ。凄くて、強い女の子なんだって。


「アリスちゃん、私、がんばる」

「は?なに言って、」

「私が理央の隣に立つにふさわしい女だって――アリスちゃんに、そう認めてもらえるまで、私がんばるから!」

「はあ!?」


アリスちゃんの大きな声に、空気が揺れる。カップに入ったミルクティーが、僅かに波紋を広げた。

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