溺愛幼なじみは甘くて強引
「な、なんでよ!私は理央と付き合いたいって言ってるの!それなのに、なんでライバルのあなたを認めないといけないわけ!?」

「いやでも認めざるをえないような、そんなスゴイ女の子になるから。だから、見てて!」

「日本語通じてる!?っていうか、日本人って謙虚じゃないの?あなた図々しさの塊じゃん!」


ビシッと指をさされて、私は固まる。図々しいと言われたのは、初めてのことかもしれない。

「そっか、私……図々しいんだ」


理央の隣に立つために頑張る――他人から図々しく見える程。私は必死に、理央に手を伸ばしているんだ。諦めず、伸ばすことが出来ているんだ。

そう思ったら、図々しい自分も……少しだけ、好きになれそうだった。


「ふふ」

「だから、なに笑ってんの!?」

「うん。理央のためなら、私はどんな事だって頑張れると思ったら、なんだか嬉しくて」

「な……!」


私の言葉に、恥ずかしそうな顔をしたのはアリスちゃんだった。「聞いてらんない」と、フイと横を向く。
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