エリート同期は独占欲を隠さない

プロローグ




変わるものと、変わらないものが世の中に存在するのなら、これは一生変わらないものに分類されるのだと、市ヶ谷未尋は思っていた。

あいつ、桐谷駿との関係。会社の同期で、良きライバルで、飲み友達。ずっとそうカテゴライズされていたのに……。

「市ヶ谷、俺を見ろ」

未尋は今、男の色気が滴る桐谷に組み敷かれている。

桐谷の筋張った手は未尋の浴衣の帯にかけられ、今にも解かんばかり。

(まさかあの桐谷と、こんなことになってしまうなんて……)
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