エリート同期は独占欲を隠さない
一章
パチパチと課のみんなから拍手を送られ、桐谷は満足げな笑みを浮かべていた。
拍手の中には「さすが桐谷さん」「かっこいい」という女子社員の黄色い声も混じっている。
今月の契約数一位という称号を手にした桐谷の心の中は、きっと自信に溢れているのだろう。
未尋も悔しさを滲ませながらも、彼に向けて手を叩いた。
未尋と桐谷は、ここアップルハウジングの営業一課に所属している。入社式の時、たまたま隣の席になったことで顔見知りになり、それから自然と話すようになった。