エリート同期は独占欲を隠さない
気づかないうちに、未尋を傷つけていたことに、驚く半面申し訳なくなった。きっといきなり肩を掴まれ、ドキッとして振り払ったのだろう。
「あ、それにこの前だって!」
「まだあるのかよ」
言い合う二人に呆れ、近藤と明智が顔を見合わせている。
「ねぇ、この喧嘩、いつまで続くの?」
「さぁ」
外野からしたらいい迷惑だろう。
「俺、なんか買って こようかな。甘いの食べたくなってきた」
「あ、じゃあ私も行くー」
付き合いきれなくなったのか、二人は桐谷たちを置いて部屋を出て行った。その背中を見送ると、未尋はテーブルに置いてあった枝豆をぷちぷちと剥き始めた。
そしてさっきの続きと言わんばかりに口を開く。
「桐谷は器用だからさ、簡単に受け流せるだろうけど、私はできないの。桐谷に冷たくされてショックだったし、それにすごく寂しかった」
「寂しかった?」
「そうだよ。すごく寂しかった」
その台詞に、きゅんとしてしまう。寂しく思っていたなんて、知らなかった。初めて知れた感情に、思わず口元が緩む。
しかも、視線だけ上げこちらを見る未尋が色っぽくて心臓が高鳴った。