エリート同期は独占欲を隠さない
きっと抗議の目を向けているつもりなのだろうが、浴衣な上、目は潤んでいるし、頬も紅潮している。
そんな色っぽい顔を向けられたら、男の部分が騒ぎだして仕方ない。人一倍理性があるほうだと思っていたのに、今桐谷の中心は、ぐらぐらと揺れている。
こんなふうに気持ちが昂るのはいつ以来だ? 男として見られたい、未尋の特別になりたい。
一方通行な欲求だとわかっているだけに、桐谷は焦れてたまらなかった。
「どうしていいかわからなかったんだよ。あの日から、市ヶ谷が気になって仕方なかった。市ヶ谷も女だったんだって気づいたら、普通にできなくなった」
「桐谷?」
「細い体を震わせて、泣きそうなお前を見てたら、守ってやりたいと思った。それから毎日目で追うようになって、市ヶ谷の特別になりたいと思っている自分に気づいた」
「ちょ、待って。何の話?」
未尋がおろおろと目を泳がせている。でも気持ちが溢れてしまった今、もう止めることはできない。