エリート同期は独占欲を隠さない
温かくて柔らかな感触に触れ、心臓がどくどくと早鐘を打ち始める。
「市ヶ谷、好きだ」
「う、んっ……」
目の前には、蕩けるような顔で桐谷を見つめる未尋がいる。初めて見られた女の顔に、気持ちがますます高ぶった。
「もっといい?」
「あ、その前に……」
胸をそっと押されたと思ったら、下から照れ臭そうに見つめる目があった。
「今わかったよ。私も、桐谷が好き」
「……っ」
律義に想いを伝えるその姿に、心が震えるのを感じた。これまで、誰かに好きだと言われてこんなにも嬉しかったことがあっただろうか。
――まずいな、止められなくなりそう。
「もっとして?」
未尋はこんなにも可愛くばける女だったのか。これほどまでに戸惑わせてどうする気だと、桐谷は欲望をぶつけるように、未尋の唇に噛みつくようなキスをした。
「んんっ……」
「もっと口開けて」
啄みながら言えば、こわごわと唇が開かれる。理性はどんどん失われていき、ここが社員旅行の場だということも忘れ、未尋の口内に舌を差し入れ、くまなく堪能する。
「んっ、はぁ……きり、たにっ……苦しい」