エリート同期は独占欲を隠さない
◇◇◇
それから日常は戻り、二人は会社ではライバル。そして、週末は恋人同士として過ごした。
「未尋、もう上がれる?」
「うん、上がれるよ」
「今日はどうする? 明日休みだし、うちくるか?」
「いいね! 私、ご飯作るよ」
「じゃあスーパー寄って帰るか」
週末はどちらかの家に泊まることが増え、未尋がご飯を作り、家で飲んでは、遅くまで映画を見て、翌日は二人で昼近くまで眠るような甘い週末を送っている。
ただの同期だった時は知らなかったことが互いに増え、それを知るたびに二人の仲は深まって行った。
「駿、これ味見してー」
キッチンから未尋が叫ぶと、駿が飛んでやってきた。
「お、いい匂い」
「ミネストローネ作ってみたの。どうかな?」
スプーンですくったそれを口元へもっていくと、駿は嬉しそうに頬張った。
「ん、美味しい」
「本当? よかったー」
「未尋って、意外と家庭的だよな」
「意外はよけい」
そう突っ込んで二人で顔を見合わせクスクス笑った。