エリート同期は独占欲を隠さない

普段大雑把な面がある未尋だが、実は料理上手で、家庭的だったりする。駿は未尋が作ったものをいつも美味しそうに食べ、毎度嬉しそうに顔をほころばせた。

未尋はその顔が見たいがために、めきめきと腕を上げている。駿のためなら、どんなことにも挑戦したいと思っていた。

「ねぇ、未尋」
「ん? なに」

 突然、背後から駿に抱きしめられ、キョトンとしながら見上げる。

「今日来てた未尋のお客さん。やけに馴れ馴れしくなかったか?」
「え? そう?」
「未尋のことを気に入ってたみたいだし、ボディタッチ多かった」
「ごめん、全然気にしてなかった」

こういった類の感情に未尋は相変わらず疎く、その度に駿はやきもきさせられている。今もどうやら、拗ねているようだ。

「担当外れてよ」
「無理だよ、今さら」
「腹立つな。俺の未尋なのに」

すると、駿の手が服の裾から忍び込んできた。同時に首筋を甘噛みされ、思わず色っぽい声が出た。

「あっ……、ちょっと待って、駿」
「やだ、待てそうにない」

未尋を正面に向け抱きしめると、困惑する未尋に強引に口付けた。啄むようなキスを繰り返していくうちに、駿のエンジンがかかる。
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