エリート同期は独占欲を隠さない
この大きなベッドも、未尋とゆっくり過ごすために最近買い替えた。ほかにも、いつでもドライブにいけるようにと車の購入を考えているとか。
今の駿の思考回路は、未尋に直結していると言ってもいい。ただの同期だった時、彼が恋人をこんなにも甘やかす人だったとは、思いもしなかった。こんなに想ってもらえて、未尋は幸せ者だ。
「一週間がんばったご褒美ちょうだい」
「ふふ、ご褒美って」
鼻先をこすり合わせ笑い合う。この時間がずっと続いてほしい。駿とずっと一緒に居たい。幸せすぎて、そう願わずにはいられない。
「ねぇ、駿ってさ、私のどこが好きなの?」
「え? なんだよ急に」
「なんとなく気になって」
下からじっと見つめながらその問いの答えを待つ。だが駿は照れているのか、なかなか口を割らない。
「ねぇってば」
「ん~、いつも一生懸命なとことか?」
「それから?」
「あとはこの柔らかい体とか」
「ひゃっ! ちょっと!」
いきなり胸を掴まれビクッと体が浮いた。そんな未尋を見て、駿はニヤニヤと嬉しそうな視線を向けている。
「とにかくいろいろだよ」
「あ、逃げたな。都合が悪くなるといつもそれなんだから」
「とりあえず、一旦黙ろうか」
目尻に皺を寄せ、恥ずかしそうに微笑むと、優しいキスを落とした。
たまに意地悪で子どもっぽい一面がある駿だが、彼のくれるキスはとろけるくらい甘くて優しい。
そして未尋をあっという間に、快楽の海へ沈めてしまう。
これから彼と過ごす時間が増え、一緒にいなかった時間を追い越すだろう。隣に駿がいないなんて、もう考えられない。彼と笑い合う未来しかみえない。
(――何があっても離れないから、覚悟していてね)
彼に抱かれながら、心の中で宣戦布告した。