憧れのCEOは一途女子を愛でる
「私も」
彼の胸に顔をうずめながらくぐもった声を出すと、それを合図に彼が腕の力をそっと緩めてくれた。
見上げた先には透き通るように綺麗な瞳が待っていて、ずっと前から私はこの人に恋をしていたのだと今さら思い知った。
「朝陽さんが大好きです」
雲の上の存在で、手の届かない人、住む世界が違う人だからとあきらめようとしていた。
だけどただの憧れや尊敬だけでなく、そこにはきちんと恋心があって、膨らみすぎた好きという気持ちを消し去ることはもうできない。
「俺がずっと冴実のそばにいるよ。寂しい思いはさせない」
彼はそう言うなり着ていた上着のポケットからネイビー色の正方形の箱を取り出した。
それがなにかわからなくて見つめていたら、こちらに向けて箱が上下の方向に開けられる。
中にはキラキラと輝く大きな一粒ダイヤの付いた指輪が入っていた。
「俺と結婚してください」
「え?!」
「付き合ってないのにプロポーズするって、やっぱり変かな?」
彼は急に照れたのか後頭部に手をやりながら困ったように苦笑いを浮かべたが、私は仰天してしまってパチパチと瞬きを繰り返すだけで、ピクリとも動けなくなった。
「この前朔也と話してたらアイツが『キスもしてない相手にプロポーズするなんて愚行でしかない』って言ったんだよ。だったら俺は君とキスはしたから、チャンスはあるかもって思って。気付いたらこれを買ってた」
私にはなんの話なのかまったくわからないけれど、五十嵐専務との会話で触発されたということだろうか。
彼の胸に顔をうずめながらくぐもった声を出すと、それを合図に彼が腕の力をそっと緩めてくれた。
見上げた先には透き通るように綺麗な瞳が待っていて、ずっと前から私はこの人に恋をしていたのだと今さら思い知った。
「朝陽さんが大好きです」
雲の上の存在で、手の届かない人、住む世界が違う人だからとあきらめようとしていた。
だけどただの憧れや尊敬だけでなく、そこにはきちんと恋心があって、膨らみすぎた好きという気持ちを消し去ることはもうできない。
「俺がずっと冴実のそばにいるよ。寂しい思いはさせない」
彼はそう言うなり着ていた上着のポケットからネイビー色の正方形の箱を取り出した。
それがなにかわからなくて見つめていたら、こちらに向けて箱が上下の方向に開けられる。
中にはキラキラと輝く大きな一粒ダイヤの付いた指輪が入っていた。
「俺と結婚してください」
「え?!」
「付き合ってないのにプロポーズするって、やっぱり変かな?」
彼は急に照れたのか後頭部に手をやりながら困ったように苦笑いを浮かべたが、私は仰天してしまってパチパチと瞬きを繰り返すだけで、ピクリとも動けなくなった。
「この前朔也と話してたらアイツが『キスもしてない相手にプロポーズするなんて愚行でしかない』って言ったんだよ。だったら俺は君とキスはしたから、チャンスはあるかもって思って。気付いたらこれを買ってた」
私にはなんの話なのかまったくわからないけれど、五十嵐専務との会話で触発されたということだろうか。