憧れのCEOは一途女子を愛でる
顔は恐ろしいほど整っていて、シャープな輪郭とくっきりとした目力のある瞳がカッコいいのは言うまでもないが、特に高い鼻は目が離せなくなるほど形がいい。
髪型は自然に下ろした長めのナチュラルバングで、ふわっと動きが付けられている。
そして彼の声、仕草、目線……そのどれもがどことなくミステリアスで、男性特有の色気が混じっているからみんな魅了されるのだろう。
「あっ!」
「どうした?」
「今まで忘れてましたけど、私、今日はスッピンでした。こんなときに限って……」
恥ずかしくて頬を両手で覆い隠せば、それを目にした社長がおかしそうにクツクツと笑った。
家を出るときには、傘を持って祖父を迎えに行くだけだと思っていたから、カジュアルな服装で出てきてしまった。
社長に会うとわかっていればきちんとメイクをして綺麗な服を着てきたのに。とはいえ、これは予測不可能だったけれど。
「俺だって休みの日はカジュアルだよ」
「いえ、社長はすべてにおいてセンスがいいです」
ジニアールで働いているからこそ、そこはよく知っている。
五十嵐専務と伊地知部長が、ふたりで口をそろえて社長を“センスの塊”だと豪語しているらしい。
私からしたらさらに充分すぎるほどのカリスマもあると思う。
「とりあえず注文しよう。ここのオススメはどれ?」
社長はメニューに視線を落としたまま私に問いかけた。
「私は抹茶あんみつをよく頼みます。セットでほうじ茶が付いてきておいしいんですよ」
「じゃあ俺もそうする」
「甘い物はお嫌いじゃなかったですか?」
恐る恐る尋ねる私に、社長は静かにコクリとうなずいた。
髪型は自然に下ろした長めのナチュラルバングで、ふわっと動きが付けられている。
そして彼の声、仕草、目線……そのどれもがどことなくミステリアスで、男性特有の色気が混じっているからみんな魅了されるのだろう。
「あっ!」
「どうした?」
「今まで忘れてましたけど、私、今日はスッピンでした。こんなときに限って……」
恥ずかしくて頬を両手で覆い隠せば、それを目にした社長がおかしそうにクツクツと笑った。
家を出るときには、傘を持って祖父を迎えに行くだけだと思っていたから、カジュアルな服装で出てきてしまった。
社長に会うとわかっていればきちんとメイクをして綺麗な服を着てきたのに。とはいえ、これは予測不可能だったけれど。
「俺だって休みの日はカジュアルだよ」
「いえ、社長はすべてにおいてセンスがいいです」
ジニアールで働いているからこそ、そこはよく知っている。
五十嵐専務と伊地知部長が、ふたりで口をそろえて社長を“センスの塊”だと豪語しているらしい。
私からしたらさらに充分すぎるほどのカリスマもあると思う。
「とりあえず注文しよう。ここのオススメはどれ?」
社長はメニューに視線を落としたまま私に問いかけた。
「私は抹茶あんみつをよく頼みます。セットでほうじ茶が付いてきておいしいんですよ」
「じゃあ俺もそうする」
「甘い物はお嫌いじゃなかったですか?」
恐る恐る尋ねる私に、社長は静かにコクリとうなずいた。