憧れのCEOは一途女子を愛でる
「あのさ、呼び方についてなんだけど……じいさんたちの前では“社長”は禁止で」
「……え」
尊敬している社長の言いつけとあらば、なんでも承諾したいところだが、これについてはどうしたものかと首をひねった。
「絶対にじいさんから指摘が入るよ」
「では、なんとお呼びすればいいですか?」
「お互いに下の名前で、さん付けにしようか」
今後こうして碁会所でバッタリと会うことは早々ないと思うけれど、いくらプライベートだとはいえ器用に頭を切り替えられない。
社長の提案を聞いた途端、私は目を丸くして顔の前で手を横にブンブンと振った。
「む、無理です無理です!」
「むずかしくないって。“朝陽さん”って、たった五文字じゃないか」
気が付いたときには社長がテーブルに肘をついた状態で身を乗り出していて、パーフェクトに整ったその顔を間近で目にしてしまった。
ドキンドキンと大きく心臓が鼓動する。直視できなくなって、思わず視線をテーブルへと下げた。
なんという破壊力なのだろう。あのまま見続けていたら私の心臓はどうなっていたかわからない。
「じいさんたちの前ではくれぐれもそれでよろしく」
黙り込んでいたら、私が渋々承知したと思われたようだ。
どうしよう。祖父たちの前でうまく呼べる自信がないのだけれど。
「……え」
尊敬している社長の言いつけとあらば、なんでも承諾したいところだが、これについてはどうしたものかと首をひねった。
「絶対にじいさんから指摘が入るよ」
「では、なんとお呼びすればいいですか?」
「お互いに下の名前で、さん付けにしようか」
今後こうして碁会所でバッタリと会うことは早々ないと思うけれど、いくらプライベートだとはいえ器用に頭を切り替えられない。
社長の提案を聞いた途端、私は目を丸くして顔の前で手を横にブンブンと振った。
「む、無理です無理です!」
「むずかしくないって。“朝陽さん”って、たった五文字じゃないか」
気が付いたときには社長がテーブルに肘をついた状態で身を乗り出していて、パーフェクトに整ったその顔を間近で目にしてしまった。
ドキンドキンと大きく心臓が鼓動する。直視できなくなって、思わず視線をテーブルへと下げた。
なんという破壊力なのだろう。あのまま見続けていたら私の心臓はどうなっていたかわからない。
「じいさんたちの前ではくれぐれもそれでよろしく」
黙り込んでいたら、私が渋々承知したと思われたようだ。
どうしよう。祖父たちの前でうまく呼べる自信がないのだけれど。