憧れのCEOは一途女子を愛でる
 天野さんが筒状のポスターを広げ、私から少し離れてこちらに向けて見せてくれた。
 ポスターの中の真凛さんは我が社のブランドのアミュゾンで全身コーディネートされている。白いパーカーの右肩の部分が自然にずり落ちているのだけれど、中に着ている淡いピンクのノースリーブのインナーも抜群に似合っている。
 下は黒のハーフパンツで、足元はスポーツサンダルだ。さすがモデルだと見惚れてしまうほどのスタイルの良さがうらやましい。なんてスリムなのだろう。
 カメラ目線ではないからか、バーベキュー広場にいる彼女がとても活き活きとした様子で写っていた。髪型をポニーテールにし、満面の笑みを浮かべていて、撮影ではなく本当にアウトドアを楽しんでいるかのよう。

「カメラマンの人、センスがいい」

 天野さんの言うとおりで、何枚も撮った写真の中からこのショットを選んだのはカメラマンのセンスだと思う。
 弾けるような笑顔のポスターを見ているだけで元気をもらえる気がした。

「真凛さんは相変わらずかわいいですね」

「本当になにを着ても似合うもんね」

 彼女はパッチリとした二重の瞳が印象的で、顔は驚くほど小さくて愛らしい。

「最近はテレビでの露出も増えましたし、さらに人気が出そうですね」

 天野さんに言われ、そういえば先週も深夜のバラエティー番組に出ていたのを思い出した。
 番組内でもにこにこと笑い、コメントを求められてもそつなくこなしていたから、彼女ならタレントとしてもやっていけそうだ。

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