憧れのCEOは一途女子を愛でる
翌日、正式に来月付けで異動という辞令が出たので、私は伊地知部長と一緒に店舗運営部へあいさつに行った。
「香椎、来月からよろしくな」
声をかけてきたのは同期の氷室くんだった。
これまでは別々の部署だったため、彼とは特に仲がいいわけではなかったけれど、新入社員研修のときに同じ班だったのを思い出した。
「こちらこそよろしく。頼りにしてるね」
やわらかい笑みをたたえると、氷室くんは照れたような顔でうなずいた。
氷室くんがいてくれてよかった。異動先の部署に顔見知りがいるのといないのでは、安心感が違う。
「そうだ、伊地知部長と香椎が異動してきたら歓迎会をやらなきゃな」
「ありがとう」
「俺は香椎とデートで飲みに行くのもウェルカムだけど?」
誰にでも親しげに接するところは変わっていないなと思いながら「なに言ってるの」と受け流すと、氷室くんはアハハと吹き出すように笑った。
商品部での引き継ぎが終わった半月後、私は予定通り店舗運営部へ異動になったのだけれど、毎日家に帰ってからも頭の中は常に仕事のことでいっぱいだった。寝る直前までパソコンを開いて勉強を続けている。
友人から食事に誘われても時間がもったいなくて断っているので、このままだと友人がひとりもいなくなりそうだ。付き合いも大事にしないといけないとわかってはいるのだが。
「香椎、来月からよろしくな」
声をかけてきたのは同期の氷室くんだった。
これまでは別々の部署だったため、彼とは特に仲がいいわけではなかったけれど、新入社員研修のときに同じ班だったのを思い出した。
「こちらこそよろしく。頼りにしてるね」
やわらかい笑みをたたえると、氷室くんは照れたような顔でうなずいた。
氷室くんがいてくれてよかった。異動先の部署に顔見知りがいるのといないのでは、安心感が違う。
「そうだ、伊地知部長と香椎が異動してきたら歓迎会をやらなきゃな」
「ありがとう」
「俺は香椎とデートで飲みに行くのもウェルカムだけど?」
誰にでも親しげに接するところは変わっていないなと思いながら「なに言ってるの」と受け流すと、氷室くんはアハハと吹き出すように笑った。
商品部での引き継ぎが終わった半月後、私は予定通り店舗運営部へ異動になったのだけれど、毎日家に帰ってからも頭の中は常に仕事のことでいっぱいだった。寝る直前までパソコンを開いて勉強を続けている。
友人から食事に誘われても時間がもったいなくて断っているので、このままだと友人がひとりもいなくなりそうだ。付き合いも大事にしないといけないとわかってはいるのだが。