憧れのCEOは一途女子を愛でる
伊地知部長と相談をして、照明の設備を変更するなら思い切って本店がいいだろうという結論に至った。
機材や工事に関する稟議書はすんなりと通り、業者に工事をしてもらう手はずを取ったところだ。
今日も帰宅後に、パソコンで本店の店内の写真を見ながらこの辺りに人工芝のマットを敷いてもいいな……などとイメージしてノートにメモを残したりしていた。
といっても、これは私が勝手に思案しているだけだから、持ち帰って仕事をしているわけではない。
そんな中、コンコンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「はい」と短く返事をするとドアが開き、祖父がひょっこりと顔を覗かせる。グラスにお茶を注いで持ってきてくれたようだ。
「なんだ、ずっと仕事をしてるのか。毎日そんなんじゃ頭から煙が出るぞ」
パソコンを睨みつけている私を見て、祖父がまだやっているのかとばかりにキュッと眉をひそめた。
最近の私は家と会社の往復しかしていないし、根を詰めすぎて身体を壊さないか祖父は心配しているのだろう。
「仕事じゃないよ。ただ勉強しているだけ。これが私のプライベート」
両手を広げておどけてみせたものの、祖父はフンッと鼻を鳴らしてあきれ、木製テーブルの上にお茶の入ったグラスを置いた。
「今度朝陽くんに会ったら、うちの孫を働かせすぎだって文句を言ってやろうか」
「おじいちゃん!」
「冗談だ」
それだけはやめてほしいと、一瞬あわてたけれど、祖父はそんな私をよそにクスクスと笑っていた。
今のは全然冗談に聞こえない。この先社長と顔を合わせることがあったら本当に言い出しそうで怖い。
機材や工事に関する稟議書はすんなりと通り、業者に工事をしてもらう手はずを取ったところだ。
今日も帰宅後に、パソコンで本店の店内の写真を見ながらこの辺りに人工芝のマットを敷いてもいいな……などとイメージしてノートにメモを残したりしていた。
といっても、これは私が勝手に思案しているだけだから、持ち帰って仕事をしているわけではない。
そんな中、コンコンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「はい」と短く返事をするとドアが開き、祖父がひょっこりと顔を覗かせる。グラスにお茶を注いで持ってきてくれたようだ。
「なんだ、ずっと仕事をしてるのか。毎日そんなんじゃ頭から煙が出るぞ」
パソコンを睨みつけている私を見て、祖父がまだやっているのかとばかりにキュッと眉をひそめた。
最近の私は家と会社の往復しかしていないし、根を詰めすぎて身体を壊さないか祖父は心配しているのだろう。
「仕事じゃないよ。ただ勉強しているだけ。これが私のプライベート」
両手を広げておどけてみせたものの、祖父はフンッと鼻を鳴らしてあきれ、木製テーブルの上にお茶の入ったグラスを置いた。
「今度朝陽くんに会ったら、うちの孫を働かせすぎだって文句を言ってやろうか」
「おじいちゃん!」
「冗談だ」
それだけはやめてほしいと、一瞬あわてたけれど、祖父はそんな私をよそにクスクスと笑っていた。
今のは全然冗談に聞こえない。この先社長と顔を合わせることがあったら本当に言い出しそうで怖い。