憧れのCEOは一途女子を愛でる
「自分のスキルアップに繋がるので、今はどんな仕事でもがんばりたいんです」
「はは。本当に伊地知さんみたいだな。ポジティブでいいと思う。俺はがんばる人が好きだ」
社長の綺麗な笑顔を目にした途端、私の心臓が痛いくらいにキュンとした。容姿も仕草も発言も、本当になにもかもカッコいい。
「そうだ、倫治さんからなにか聞いた?」
「少しだけ。辰巳さんが……私たちのことで盛り上がっていると……」
「真剣に考えるつもりだって電話で伝えたら、えらく声が弾んでたよ」
社長が決まり悪い笑みを浮かべたのを見て、私も辰巳さんのうれしそうな表情が脳裏に浮かび、思わず苦笑いをした。
きっと社長は辰巳さんからの見合い話を断るために、その場を切り抜けようとしてそう言ったのだろう。
「君に断りもなく勝手なことを言ってごめん」
「いえいえ!」
社長が急に謝ってきたので、私はビックリしながら首を小刻みに横に振った。
たしかに私との交際に乗り気だと辰巳さんに伝えれば、社長は辟易としていた見合い話から解放される。
だけどあとになって辰巳さんがガッガリする姿を想像したら心が痛んでくる。
「本当に怒ってない?」
「はい」
「ならよかった」
目線の高さを合わせるようにして私の表情をうかがう社長の仕草に驚いて、まごつきながら視線を下げた。
「いつもおどおどしていて、君は俺となかなか目を合わせてくれないね」
「えっと……それは、私と社長では住む世界が違うので」
「一緒だよ。今こうして同じ空間にいるだろ」
「はは。本当に伊地知さんみたいだな。ポジティブでいいと思う。俺はがんばる人が好きだ」
社長の綺麗な笑顔を目にした途端、私の心臓が痛いくらいにキュンとした。容姿も仕草も発言も、本当になにもかもカッコいい。
「そうだ、倫治さんからなにか聞いた?」
「少しだけ。辰巳さんが……私たちのことで盛り上がっていると……」
「真剣に考えるつもりだって電話で伝えたら、えらく声が弾んでたよ」
社長が決まり悪い笑みを浮かべたのを見て、私も辰巳さんのうれしそうな表情が脳裏に浮かび、思わず苦笑いをした。
きっと社長は辰巳さんからの見合い話を断るために、その場を切り抜けようとしてそう言ったのだろう。
「君に断りもなく勝手なことを言ってごめん」
「いえいえ!」
社長が急に謝ってきたので、私はビックリしながら首を小刻みに横に振った。
たしかに私との交際に乗り気だと辰巳さんに伝えれば、社長は辟易としていた見合い話から解放される。
だけどあとになって辰巳さんがガッガリする姿を想像したら心が痛んでくる。
「本当に怒ってない?」
「はい」
「ならよかった」
目線の高さを合わせるようにして私の表情をうかがう社長の仕草に驚いて、まごつきながら視線を下げた。
「いつもおどおどしていて、君は俺となかなか目を合わせてくれないね」
「えっと……それは、私と社長では住む世界が違うので」
「一緒だよ。今こうして同じ空間にいるだろ」