憧れのCEOは一途女子を愛でる
「今度の土曜、どこかお出かけしようよ。今だと紅葉が綺麗だよ」
出会いからあっという間に二ヶ月が過ぎ、もうすぐふたりで過ごす初めての冬がやってくる。
少し肌寒い空気が漂う晩秋から初冬の季節が私は好きで、甘えるような口調で加那太をデートに誘った。
もみじが真っ赤に紅葉している風景を想像しただけで私は自然と笑みがこぼれたのだけれど、加那太は逆に心底嫌そうに顔をしかめた。
「紅葉なんてなにがいいんだよ。ただの山だろ。疲れるだけだし、わざわざそんな場所に好んで行く意味が俺にはわからない」
加那太は付き合い始めた当初は映画や食事に誘ってくれたけれど、次第に外でのデートを拒むようになった。
元からかなりのインドア派だったようで、私が想像する以上に山や海が苦手なのだと知った。
今回、無邪気に紅葉に誘ったことで彼の機嫌を損ねたかもしれないと、私は一気に表情を曇らせる。
「そっか。ごめん。……それじゃあ、なにして遊ぶ?」
「俺の家で動画を見るか、ゲームでいいんじゃない?」
冬は寒い、夏は暑いと言って、結局ひとり暮らしをしている加那太の家に居続けることになるのかな。
そんな考えがよぎったけれど、私は加那太に会いたい気持ちが強かったからすぐさま頭から消した。
どこでデートするかを問題視するのではなく、彼との時間をなによりも大切にして、愛を育んでいきたかったのだ。
「家に来るならオムライス作ってよ。冴実が作ったやつはうまいから」
「わかった」
自炊をしない加那太は手料理に飢えているのか、私が食事を作るとよろこんでくれた。
太ってはいないのに大食漢で、なんでもペロリと平らげる。そんな彼の姿を見ていると癒される自分がいた。
出会いからあっという間に二ヶ月が過ぎ、もうすぐふたりで過ごす初めての冬がやってくる。
少し肌寒い空気が漂う晩秋から初冬の季節が私は好きで、甘えるような口調で加那太をデートに誘った。
もみじが真っ赤に紅葉している風景を想像しただけで私は自然と笑みがこぼれたのだけれど、加那太は逆に心底嫌そうに顔をしかめた。
「紅葉なんてなにがいいんだよ。ただの山だろ。疲れるだけだし、わざわざそんな場所に好んで行く意味が俺にはわからない」
加那太は付き合い始めた当初は映画や食事に誘ってくれたけれど、次第に外でのデートを拒むようになった。
元からかなりのインドア派だったようで、私が想像する以上に山や海が苦手なのだと知った。
今回、無邪気に紅葉に誘ったことで彼の機嫌を損ねたかもしれないと、私は一気に表情を曇らせる。
「そっか。ごめん。……それじゃあ、なにして遊ぶ?」
「俺の家で動画を見るか、ゲームでいいんじゃない?」
冬は寒い、夏は暑いと言って、結局ひとり暮らしをしている加那太の家に居続けることになるのかな。
そんな考えがよぎったけれど、私は加那太に会いたい気持ちが強かったからすぐさま頭から消した。
どこでデートするかを問題視するのではなく、彼との時間をなによりも大切にして、愛を育んでいきたかったのだ。
「家に来るならオムライス作ってよ。冴実が作ったやつはうまいから」
「わかった」
自炊をしない加那太は手料理に飢えているのか、私が食事を作るとよろこんでくれた。
太ってはいないのに大食漢で、なんでもペロリと平らげる。そんな彼の姿を見ていると癒される自分がいた。