憧れのCEOは一途女子を愛でる
氷室くんが見せたのは、ウェブ版の週刊誌記事に掲載されたスクープ写真だった。
そこには夜の街を歩く男女の姿があり、女性のほうは真凛さんだとはっきりわかる角度で写っている。
彼女の右隣にいる背の高い男性は、目元が黒く塗りつぶされているものの、氷室くんの言うように神谷社長で間違いないだろう。
記事のタイトルも【真凛、イケメンスポンサー社長と高級焼肉デート】と書かれてある。
「ふたり、付き合ってるんですかね?」
なにげない氷室くんの言葉がグサリと胸に刺さった。
幸い、撮られた写真では腕を組んだり手を繋いではいないけれど、スタイルのいいふたりが並んでいるだけで絵になるし、どう見てもお似合いだ。
『冴実が勇気を出して手を伸ばそうとしていないだけで、届くかもしれないよ』
ふと彩羽の助言が頭に浮かんだ。あの言葉で私にも望みがあるかもしれないと、うっかり真に受けるところだった。
社長のお相手は真凛さんくらい華のある女性でなければ釣り合わないとわかっていたはずなのに。
「それは……デマじゃないかな」
枝豆をつまみつつ、伊地知部長がフフフと笑う。
「え、付き合ってないんですか?」
そこには夜の街を歩く男女の姿があり、女性のほうは真凛さんだとはっきりわかる角度で写っている。
彼女の右隣にいる背の高い男性は、目元が黒く塗りつぶされているものの、氷室くんの言うように神谷社長で間違いないだろう。
記事のタイトルも【真凛、イケメンスポンサー社長と高級焼肉デート】と書かれてある。
「ふたり、付き合ってるんですかね?」
なにげない氷室くんの言葉がグサリと胸に刺さった。
幸い、撮られた写真では腕を組んだり手を繋いではいないけれど、スタイルのいいふたりが並んでいるだけで絵になるし、どう見てもお似合いだ。
『冴実が勇気を出して手を伸ばそうとしていないだけで、届くかもしれないよ』
ふと彩羽の助言が頭に浮かんだ。あの言葉で私にも望みがあるかもしれないと、うっかり真に受けるところだった。
社長のお相手は真凛さんくらい華のある女性でなければ釣り合わないとわかっていたはずなのに。
「それは……デマじゃないかな」
枝豆をつまみつつ、伊地知部長がフフフと笑う。
「え、付き合ってないんですか?」