それぞれの恋

恥ずかしい…目の前に堂々と貼られていたのに気づかなかったなんて


「これ、わかりづらいよね…」


大人っぽい人はそう言って少し微笑むと席にむかった。

同じ生徒だったんだ…あまりにも大人っぽいから学校の人かと思っちゃった。

私は自分の座席を確認して席に着いた。

教室を見渡すと固まって話している子がすでにいて、少し焦った。

さっきの大人っぽい人を見たら、隣の席のギャルっぽい子と楽しそうに話していた。

私も頑張って話しかけて友達作ろう!

そう決意したにも関わらず、タイミングをことごとく逃した私は出鼻をくじかれてしまった。

ガイダンス終了後、自分の使うロッカーを決めるために更衣室にむかう私の足取りは重かった。

このまま…2年間、友達が出来なかったらどうしよう。


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