ランプ
考えれば考える程,それは俺を苦しめた。




マイナスばかりで出来た人間はもうプラスにはなれないのかな…。



でも,俺は忘れていた,マイナスとマイナスがかけられるとプラスになるということを…。



俺はこの後,その真実を知ることになる。



「…り……ょ!!ん!」




静寂だった俺の世界に微かに声が聞こえた気がした。




まさか…な?
なんて思いながらも俺はゆっくりと顔をあげた




見上げた瞬間俺に入ってきたものは,俺の大嫌いな物だった。



さっきまで,完全に隠れていたはずの太陽が陽を差した。



よく考えると,この光が俺を正しい道へと導いてくれたのかもしれない。




いきなり大量の光を浴びた俺は思わず手を翳した。




「亮クン!!!!ねぇ!お願い…,助けてー…」




また急に聞こえてきた声。
俺は少し暗くなった顔を上げ指の間から人を確認した。




どこかで見たことのあるような顔…。
反射して見えにくかったが,知っている人に間違いはないだろう…。


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