Cherry Blossoms〜あなたに想いの花束を〜
クラウディオがそう言い、桜士は一花に断られたことを思い出してズンッと気持ちが沈んでいく。クラウディオ、そして部屋にいる他のeagleのメンバーたちはみんな暗い顔をしていた。

「どうしてそんな顔を?」

桜士が訊ねると、ヨハンが口を開く。

「お前、一花が本気でお前のこと嫌ってると思うか?」

桜士は一花の顔を思い浮かべる。いつも告白をするたびに一花は顔を赤くする。そして、どこか申し訳なさそうに断る。一花は優しい。だが、何度振っても諦めずに告白をしてくる相手とずっと二人きりで会ってくれるだろうか。

「自惚れてもいいのだろうか……」

桜士がそう顔を赤くしながら言うと、「いくら優しい性格でも、何度も告白されたら嫌だったら会わないでしょ」とクラウディオが言う。しかし、まだ全員暗い顔のままだ。

「どうしたんだ?」

桜士が訊ねると、「裏腹」とリティクが言う。アルフレッドがその言葉の続きを言った。
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