夜を照らす月影のように#5
そんなメルの笑顔を見て、僕の胸が高鳴った。

それを、メルの隣に座る父さんが少しニヤつきながら見ていた……気がした。

「あ！そうだ。聞いてほしいことがあるんだけど」

何かを思い出したかのように、エリカさんが話し出す。今日街に行った時にリオンの友だちと会った、という内容で、僕の隣に座るリオンは友だちとのエピソードを語った。

その話で盛り上がっているのを、カズは冷たい目で見つめている。

うん、分かるよ。騒がしいよね。昔の僕も、多分そんな目をすると思うよ。

そんなことを思いながら黙々と昼ご飯を食べていると、家のチャイムが鳴る。

それに気が付いた母さんはリビングを出ていった。少し経って、母さんは戻ってくる。片手に、1冊の本を持って。

「ノワールたち、オズワルドさんから預かった本をここに置いておくね」

そう言って、母さんは邪魔にならないところに本を置いた。母さんの言葉にさっきまで話していたリオンたちは、話すのを止める。

「ありがとう。ご飯を食べて、少し休憩してからにしようか」

僕がそう言うと、皆は「分かった」と頷いた。



ご飯を食べ終えてから1時間後、僕らはリビングに集まっていた。

5人で本の中に入ろうとしたら、エリカさんは「5人は、多い気がする」と言って、エリカさんは家に残ることになった。
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