1時、夜夜中が手招くから
眠れない夜明けも暗い夜更けも、ヒマリにとって寂しいものになりませんように。
いつかヒマリが泣いてしまうその場所に大切な誰かが隣にいますように。
そう願ったら叶えてくれる?
午前1時、もう消えてしまうだろう。
人間というのは、手に入った願いの先を欲張ってしまうのだ。
幽霊になっても同じだろうか、だって、顔を見られれば良かったのに、君の体温が知りたくなった。
いつか私を慰めてくれた、怒ってくれた、優しさばっかりつまった声を聞かせてほしい。
───これで最後だから、どうか。
顔を上げて映ったのは、なんの色も混ざらない透き通ったガラスに、空にあるだけの星をかき集めたような瞳だった。