恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
マイナスイオンを浴びながらの極上ランチを終えたのは十三時前。
彰人さんは再び軽井沢から東京に向かって車を走らせる。
「あの、ありがとうございました」
運転する横顔に向かって声をかけると、彰人さんは前を向いたまま「なにがだ」と訊く。
「運転するだけでも大変なのに、あんな素敵な場所にまで連れていっていただいて」
気分転換しに行こうと言って連れて行ってくれた場所だったが、やはり普通とスケールが違う。
彰人さんにしてみればなんてことないことなのかもしれないけれど、私にとってみれば小旅行の気分だった。
「少しは気分が晴れたか」
「はい、とっても」
「それならよかった」
「あの、お仕事は大丈夫なんですか?」
朝のあの展開から、急遽連れ出してくれたような気がしていた。
私のせいで彰人さんの今日のスケジュールを混乱させてしまっていたら謝っても謝り切れない。
「今日はもともと夕方からの予定だったから問題ない。でも、明日をオフにするために今晩は遅くなると思う。夕食は必要ない」
「そうですか、わかりました」